初めまして
初めましての方は初めまして。菊池涼也(@tkmh0813)です。
映画を観た感想など、普段は軽くTwitterに書いているのですが、たまに長文感想を書きたくなる作品とも出会うので、Twitterと並行してブログも初めてみようと思い、当ブログを開設した次第です。
文才の無さは重々自覚してますが、何卒、冷めた目で構わないので見守ってくださると嬉しいです。
で早速、映画ファンにとっては「どんな映画が好きか」が名刺代わりになると思うので、自己紹介代わりにオールタイムベストの10本を紹介してみようと思います。
順不同です。
①『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ロバート・ゼメキス(1985)
そもそも映画好きになったきっかけはUSJでした。小5の夏に初めてUSJに行くことになり、アトラクションに関連する映画を短期間で浴びるように観ました。その中で最も心に残ったのが本作、及び同トリロジーです。
魅力的なキャラクター、シーンにマッチした素晴らしすぎる音楽、これでもかと伏線を張りまくり綺麗に回収する脚本など、本作で初めて「映画」とは何かを知ったと言っても過言ではないです。
最近はPART3が一番好きなんですが、映画好きになったきっかけの作品として、オールタイムベストにはこの1作目を入れてます。
②『回路』黒沢清(2000)
多くの人が、一度は本気で「死にたい」と思ったことがあると思います。自分もよく思います。そんなときには棚から本作のDVDを取り出し、部屋を暗くし毛布にくるまって鑑賞するのです。
この作品については書き始めると止まらないので今回は詳細な解説は割愛します。またいつか機会があったら書きたいと思います。
周囲の人に薦め、DVDを貸しまくった結果、意外と人を選ぶ作品らしく、響かない人にはまったく響かないということが判明しました。がしかし、それでもお勧めします。
まず断っておかなければならないのは、いわゆる「ベイ最高!!爆破最高!!」的なテンションで実写トランスフォーマーシリーズを愛している、という訳ではないということ。自分が愛しているのはあくまでサム&ミカエラの二部作であり、3作目以降は「公式による二次創作」だと自分に言い聞かせているという厄介なファンです。
本作の魅力は何といっても変形シーンの格好良さです。画像に貼ったハイウェイでの対ボーンクラッシャー戦、序盤のオートボット勢がサムを囲んで一挙に変形するシーンなど、挙げていくとキリがないです。特に好きなのは軍基地でのブラックアウトの変形で、「起こるわけないことが起こっている」という異常事態感が最高です。このような、変形そのものを魅力的に見せるシーンは、シリーズが進むごとに減少してきていて、それが3作目以降付きまとっている最大の不満です。
その点、今度やるバンブルビーのスピンオフ作品は『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』のトラヴィス・ナイト監督なので大きく期待してます。コマ撮りアニメの名手なので、対象を魅力的に動かすことにかけては手練れのはずですから。
現代実話怪談というホラ―ジャンルを知ってますでしょうか?たぶん元を辿ると柳田國男の『遠野物語』なんかに当たると思うのですが、要は説話や民話などの系譜である、教訓などを含んだ創作による「怪談」とは区別される概念で、ただありのままに実際に起こった怪異をそのままに記録していくジャンルです。
現在では竹書房ホラー文庫や角川ホラー文庫などで毎月新刊が刊行されたり、ネットの掲示板でも多く見られるようになったその現代実話怪談ですが、その火付け役になったのが、90年代に敢行された『新耳袋』シリーズです。
前置きが長くなりました。
で、2008年、その『新耳袋』に記された実在の怪異をビデオに収めるため、実際にその土地に訪れ、霊に対して挑発の限りを尽くす、という不謹慎な作品が制作されます。それが『怪談新耳袋 殴り込み』シリーズです。僕はこのシリーズが死ぬほど大好きなのですが、特に2009年製作の『2』が、最も記録された怪異が興味深いのです。
このシリーズについても書いてるとキリがないので、詳細な紹介はまたの機会に、ということにします。
⑤『スペイン一家監禁事件』ミゲル・アンヘル・ビバス(2010)
これ90分くらいの尺の映画なんですが、全編でカット数が10いくか行かないかで、要はめちゃくちゃ長回しなんですね。そんな緊迫感溢れる演出で、一家が監禁される様子を異様なリアリティをもって描くサスペンス映画です。
終盤に映像的に面白いことをする瞬間があるのですが、それが登場人物たちの感情ともシンクロしていて、決して映像技法を見せるだけの映画にはなっていないのが良いのです。そのシーン、初見時には感極まって泣いたのですが、本作を観たことある人に「泣けるよね、あれ」と言うと変な顔をされます。もう慣れました。
⑥『スーパー!』ジェームズ・ガン(2010)
街のボスに妻を奪われ、正義という名の狂気を盾にヴィジランテ活動に走る男を描いた哀しい映画です。リリースされたタイミングやパッケージの印象から『キック・アス』を連想される方も多いかと思いますが、トーンの重さが全然違います。あれはあれで好きですが。
とにかく主人公に自分を重ね合わせてしまいます。寂しさを紛らわすためにペットショップでウサギを手に取り「いや、僕なんかじゃウサギが可哀そうだ」と購入を見送るシーンは涙なしには見られません。
一見ハッピーにも思えるラストも、よくよく考えると不穏感が漂っていたりと、何度目でも新たな視点で観られる傑作です。
⑦『桐島、部活やめるってよ』吉田大八(2012)
自分の中で存在が大きくなりすぎて、もはやこれが映画なのかどうか、好きなのかどうかすらよく分からなくなっているレベルで、狂わされた作品です。
本作については文量あっても書けないのでまたの機会もないです。
⑧『劇場版まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』新房昭之/宮本幸裕(2013)
正しくない人間なので、正しくない物語に感情移入してしまいます。
本作の物語はあまりにも歪ですが、展開は悉く理に適っています。
すべては主人公ほむらの正しくなさ、精神の不健康さに起因します。
その正しくなさに、観る度に共感し涙してしまいます。
本作の超個人的な考察についても、いずれブログに書いてみたいです。
⑨『LEGOムービー』フィル・ロード&クリストファー・ミラー(2014)
日本版の予告編が最低だったせいで当時スルーされた方も多そうな本作。子供向けと侮ることなかれ。
「アイデア」についての映画です。全てのアイデアには等しく価値があると教えてくれました。自分はとにかく凡人でつまらない人間ですので、この映画にはずいぶん救われました。
そして『スペイン一家監禁事件』にも通ずるのですが、映像的な技巧と登場人物たちの感情とがシンクロする展開が好きなのです。本作でもクライマックスにそれがあります。泣きます。全てはサイコーです。
2作目以降の『ゴジラ』シリーズとは異なり、54年の『ゴジラ』は実質ホラーだと思っている自分にとって、ホラーとしてのゴジラを現代を舞台にやってくれた点で『シン・ゴジラ』は最高でした。しかも後半は災害シミュレーションものにシフトして行き、最終的には荒唐無稽な活劇になる、映画全体のテンポ感が中毒性たっぷりで、生まれて初めて映画館に20回以上通ってしまいました。
単なる「最高!」で終わらせない、あのラストの沈黙まで含めて、完璧な映画だと思います。
と、こんな感じの映画ファンです。
以後よろしくお願いします。